吉井 淳二画伯ご逝去。
2004年11月23日午後2時23分,肺炎の為、永眠につかれました。（享年100歳）

●庶民の生活風景に具象を追求「中庸の芸術」

洋画家　吉井 淳二
文化勲章・文化功労者・日本芸術院会員・二科会名誉理事

吉井淳二画伯の画業80年は美学生時代に在野団体の二科展に初入選、以後”在野の雄”となった吉井淳二は二科会一筋に活動する事となる。渡欧、パリ留学時代、近年の中南米でのモチーフは庶民群像の生活に見られる、制作は構図、造形性から具象性に徹している。
第115回企画展 『吉井淳二スケッチ展』 その2〜戦火を逃れ郷里での日々〜 （2013 4/11〜7/20) 開催中。
財団法人吉井淳二美術館・ 鹿児島県加世田市武田13877-3 tel 0993-53-6778 Fax 0993-52-8188

● 年譜

• 1904 鹿児島県末吉町に生まれる。
• 1929 東京美術学校西洋画科卒（在学中、26年第13回二科展に「花と女」「静物」が初入選、以後連続入選）
• 1932 第19回二科展に滞欧作品「帽子の女」「じゃがいもの皮をむく老女」「キャフェーの一隅」「マドモァゼルＫ」等９点を特別出品。34年第21回二科展「アトリェ」「窓際」の出品により二科特待賞受賞。35年第22回二科展で二科会会友推挙。38年第25回二科展「収穫」の出品により二科・推奨を受ける。40年第27回二科展に「二人」出品、二科会会員となる。紀元2600年奉祝美術展に「人物」出品。
• 1944 文部省主催特別美術展に無鑑査出品。二科会解散。45年二科会再建に参加。
• 1950 第35回二科展に「麦やき」「麦」「トウミ」出品。51年第36回二科展に「麦刈り」出品、疎開先の鹿児島から東京・荻窪へ転居。52年第37回二科展に「水辺」「桃」出品。「水辺」で会員努力賞受賞、朝日秀作展に推薦される。58年春季二科展に「娘」、第43回二科展に「小憩」「運ぶ女たち」出品、県文化の発展の功績により南日本文化賞を受賞。
• 1961 二科メキシコ展開催、二科会理事となる。第46回二科展「船を待つ」出品。65年昭和３９年度日本芸術院賞を受賞、第50回二科展「魚婦」「子供」出品。第2回太陽展に出品、以後連続出品。67年パリ・サロン・ドートンヌ展出品、第52回二科展に「魚婦」出品。
• 1969 第54回二科展「浜辺の井戸」が内閣総理大臣賞を受賞。70年ポルトガル・リスボン市の二科選抜展出品、レバノン・ベイルート市の二科選抜展出品、第55回二科展に「壷をつくる」出品、第1回日動展出品、以後連続出品。
• 1975 エジプト・カイロの二科展に出品、第2回日伯美術展理事長となる、第60回二科展に「フェイラ（サルバドル）」出品、南日本美術展30周年記念展開催。76年日本芸術院会員に就任、末吉町名誉町民、第61回二科展に「夕市」出品。77年勲三等瑞宝章を受ける、芸術院会員就任記念・吉井淳二画業展130点を出展、第62回二科展に「朝の市場」出品、79年二科会・社団法人、初代理事長に就任、ブラジル連邦政府のサンフランシスコ最高勲章グランデ・オフィシャル受賞、第64回二科展に「アカプルコの市場」出品。
• 1983 サロン・ドートンヌ名誉会員に推挙、第68回二科展に「驢馬のいる市場」出品。84年財団法人日伯美術連盟会長に就任、第69回二科展に「市場の子供達」出品。85年二科創立７０年記念展に「村の休憩所」出品、二科回顧展を開く、文化功労者に顕彰される。
• 1989 文化勲章を授賞。第74回二科展に「海の見える丘（レシフェ）」出品。90年「文化勲章受章記念・吉井淳二展」朝日新聞社主催、「文化勲章受賞記念”人間賛歌”吉井淳二の世界展」鹿児島市立美術館・南日本新聞社主催。
• 1992 鹿児島県加世田市に吉井淳二美術館開館、第77回二科展に「モンテ・アルバンの小さな売店」」出品。95年南日本美術展第50回記念「留学生たちのパリ展」をパリで開催、第80回記念二科展に300号「市場（フチタン・メキシコ）」を出品、二科回顧展を大丸東京店、大阪高島屋で開催。第50回記念南日本美術展開催。98年二科会理事長を退任、常務理事になる。